専業アフィリエイターという個人事業主になり、一定以上の収入を得るようになると、住民税や健康保険料の高さに泣くことになります。
稼ぐアフィリエイター多くが、法人化して節税を図ろうとするくらい、日本では個人税よりも法人税の方が、税率の上限が低くなっています。
それに、会社であれば利益の調整ができますからね。あの手この手で。
そんなアフィリエイターの健康保険に関することを書いたページですが、結局は国民健康保険に入るしかないという結論になっています。
健康保険の種類
日本には国民皆保険制度があるので、何らかの公的医療保険に加入することになります。
会社員であれば、「協会けんぽ」や「組合健保(組合管掌健康保険)」の健康保険に自動的に入れられ、その保険料は給与から天引きされていることでしょう。
全国健康保険協会の愛称である「協会けんぽ」と、多くの従業員を抱える企業が自前で運営する「組合健保」では、その保険料の算出方法などに違いがありますが、個人事業主になってみると、会社側と折半できるだけ有難く思えます。
まぁ、“あるべき給与から減らしているだけ”という見方もできますが……。
この会社で入るものと、公務員が入る共済組合、75歳以上になると後期高齢者医療制度などがありますが、どれも75歳未満の専業アフィリエイターには無縁のものです。
個人事業主が入るとしたら、市町村が運営する国民健康保険か、家族が入っている保険の扶養家族になるか(所得制限あり)、業種別の国民健康保険組合に加入することになります。
国民健康保険に加入する人が多いでしょうが、その保険料は稼いだ分だけ増えます。
その上がり具合がキツいので、「何とかならないか」というのが正直なところ。
そこで、収入に関わらず、保険料が一律の国民健康保険組合に加入したくなるのです。
メモ
以前は政府管掌健康保険として、社会保険庁が運営していましたが、2008年に全国健康保険協会が新たな保険者として設立されています。
国民健康保険組合
個人事業主といっても、東京で美容関係の仕事をしているなら東京美容国民健康保険組合、フリーの立場で芸能に従事しているなら東京芸能人国民健康保険組合と、業種によって入れるものが変わります。
しかし、アフィリエイターが入れそうなのがありません。
よく名前があげられているのは、文芸や美術に従事する人向けの「文芸美術国民健康保険組合(文美国保)」ですが、問い合わせてみたところ「アフィリエイトは著作活動に含まれないので、加入者はいない」とのこと。
なお、文美国保への加入資格には、組合加盟の各団体の会員という条件があります。
日本ネットクリエイター協会、日本グラフィックデザイナー協会といった団体があるので、その辺に可能性を見出したいところですが、サイトアフィリエイトだけしかやっていない場合は厳しそうですね。
サイトアフィリエイトだけしかと書いたのは、著作活動もしているなら話は別だろうという意味になります。
電子書籍を出版している場合、それを作品例とすることができるか訊いたところ、著者名が表記されているのであれば、そのページのスクリーンショットが「著作活動に従事していることを証明する書面の写し」になるそうです。
この文芸・美術及び著作活動に従事していることを証明する書面の写しは、加入手続きの際に作品例として提出する必要があります。
漫画家さんの場合は、単行本のコピーなどになるそうです。
メモ
日本ネットクリエイター協会の入会金は10,000円、年会費は24,000円となっています。
文美国保の保険料は組合員が1人月額19,600円、家族は10,300円、40歳~64歳が払う介護保険料は1人月額4,000円です。
組合加盟の各団体の会員になったからといって、文美国保に入れるとは限りません。
任意継続した話
健康保険の種類としては、先に書いた通りになりますが、前の勤め先の健康保険を継続することも可能です。
それが任意継続になります。
協会けんぽの任意継続被保険者になるには、以下の条件を満たす必要があります。
・資格喪失日の前日までに、継続して2ヶ月以上の被保険者期間がある
・資格喪失日から20日以内に申請
申請に必要なものなどは、各保険のサイトでご確認ください。
保険料は退職時の標準報酬月額、住んでる地域、退職時の年齢によりますので、任意継続保険料を計算できるサイトなどで額を確かめ、国民健康保険料と比較して決めた方がいいでしょう。
扶養家族の有無、給与の額が選択の分かれ道になります。
任意継続は脱退しづらいですし、一定以上の給与を貰っていた単身者の人だと、国民健康保険料より高くつくので、オススメしづらいところがあります。
私の記憶が確かなら、退職して会社を去る前から、準備する必要があった気がします。
任意継続できる期間は、任意継続被保険者となった日から2年間です。
任意継続のメリット
保険料以外のメリットは、配偶者や被扶養者がいても保険料が変わらないこと。組合健保によっては、付加給付という健保組合独自の給付があること。
減少する組合健保
赤字になっている組合健保が多く、解散して協会けんぽに移行するケースも珍しくありません。
病院に行ったとき、支払った額にだけ目が行きがちですが、3割負担であれば7割は他から出ていることになります。
互いに助け合うことを前提とした相互扶助のもと、納めた保険料から7割分が支払われていることを考えれば、「薬って高いんだな」と改めて感じるかもしれません。
稼ぎが少ない人も医療を受けやすいように、多く稼いだ人からは多く取る。多く稼ぐ人が少なくて、医療を必要としている人が多い組織や団体なら、収入がある人の保険料は高くなるのが道理。
稼いだ側からすれば、納得がいかない点もあるでしょうが……。
逆に、あまり医療を必要としない年齢層で構成すれば、保険料が安く済む上に、福利厚生施設を充実させられるでしょう。
話題の「関東ITソフトウェア健康保険組合」のように。