様々なAIサービスの登場が、アフィリエイターに与える影響について、考えてみました。
新たな流入経路
流入経路は、どこ経由で自分のサイトに人が来たのか、そのアクセス元のことです。
今までなら、圧倒的多数を検索エンジンが占めていました。
リピーターはブックマークなどをし、ダイレクトにやってきますが、多くの初訪問は検索経由なので、SEO対策をして上位表示されることが大事。
その事情が、少し変わるかもしれないというのが、アフィリエイターに与える影響の一つ目です。
その根拠が、上の画像。
これは、BingのAIチャットです。
ネット上で良い商品を探す人の定番行為「おすすめの〇〇」を訊くと、こんな感じで返ってきます。
ここに詳細情報として、いくつかのリンクが用意されています。
これが新たな流入経路となる可能性があるんじゃないか……。
だとしたら、ここに表示されるようなサイト作りが、今後の課題となっていくかもしれない。そんな話です。
残念ながら、どういうアルゴリズムで詳細情報をセレクトしているのか不明なので、対策の仕様がありませんが、AIも“検索”しているのは変わらないので、引き続きAI向けのSEO対策をすることになりそうです。
GPT-3.5とGPT-4
とはいえ、「Bing」のシェアは 2022年6月時点で3.19%なので、急に大きな影響が出始めることはないでしょう。
しかし、こういった動きに対し、検索連動型広告が収益の柱であるGoogleが即座に反応したように、今後の勢力図が塗り替わる可能性を秘めているでしょう。
Google WorkspaceへのAI機能の組み込み、AdobeがジェネレーティブAIの「Adobe Firefly」を発表といった具合に、より快適で便利なサービスを展開したところが、新たな覇権として、次代の標準を担っていくのかもしれません。
その標準に合わせたサイト作りが、アフィリエイターに求められるのかも……。
StatCounterによると、2022年6月時点で、Googleの世界検索エンジンシェアは91.88%。 次いでBingが3.19%、Yandexが1.52%、Yahooが1.33%、Baiduが0.76%、DuckDuckGoが0.64%です。
引用元:【2023 版】トップ検索エンジン市場シェア
ちなみに、これを書いている時点で「ChatGPT」は「GPT-3.5」で、「Bing」は「GPT-4」で動作しています。
リアルタイムで検索し、今の情報をもとに答えを返す「GPT-4」の「Bingチャット」と、2021年9月までの情報で勝負する「GPT-3.5」の「ChatGPT」では、アフィリエイターにとっての脅威度は、現時点では前者の方が高いでしょう。
→『マイクロソフトの検索エンジン「Bing」、OpenAIの「GPT-4」で動作』
品行方正というウィークポイント
スマートスピーカーが登場した頃、危ないことを口走って問題視されることがありました。
こういったサービスでは、問題のある発言が存続危機に繋がることも少なくなく、そこに注力する傾向があるという話も聞きます。
で、あればこその品行方正となります。
無難であっても、実質的には内容の薄い一般論に終始しても、問題発言だけは避ける。
この徹底した危機管理こそが、ウィークポイントとなり得ると、個人的には思います。
品行方正さの行きつく先は、ネガティブさの排除。
悪い点を指摘しないことで、誰からも問題視されない。この利点は、欠点にもなるでしょう。
中立で公平な姿勢は、問題点を知りたいユーザーにとっては、得るべきものが少ない。
ここが、人間が踏み込む余地が残されたフィールドと言えそうです。
悪口が人間に残された特権と思うと、なんだか悲しくなりますが、俗に言う「悪い評価」や「よくない口コミ」をリスクを背負って書けるのは、人間だけ。そう捉えることもできるでしょう。
これはAI技術の問題というよりは、人間側が技術に課した楔のようなものでしょうか。
ちなみに、彼らが苦手なジャンルは、普通の人なら扱ってはいけない内容が大半です。
なお、AIが間違った回答をすることがあるのは、注意書きにあるので深く言及しないでおきます。使っている側も、実験に付き合っているような感覚で、使っている人もいるでしょうし。
最後に
あくまで、これは一個人の見解に過ぎません。
今後の展開は、いろんな要因が絡み合って、想像だにしなかった方向に進むこともあるでしょう。
上の画像のように、HTMLタグで記述してもらい、アフィリエイト記事作成の補助をしてもらうツールとして定着する未来もあるはず……。
ただ、現時点で思うのは「どんなキーワードでの訪問を想定しているか」を今一度確認し、そのキーワードは彼らも使えそうか……。
彼らが言いそうなことだけを書いていないか、といった視点を持ち、人間らしい“悪さ”を持ったサイト作りを心掛ける。そんなところでしょうか。
今回はAIチャットをメインに取り上げましたが、AIイラストに関しては“新たな道具”になったと感じています。
詳しくは、前回の記事にて。
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こういったイラスト系サービスの登場で割を食うのは、イラストを描く側。
そして、フリー素材で集客をする人たちでしょう。
彼らと同じような境遇に、いつ自分が立たせれるかわかりませんが、利便性があるから普及するのであって、どうせ普及するなら より賢く扱って、自分の利益に繋げていこう……と思うことにしています。