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うつ病になって「助けて」と思っていた頃の自分へ

更新日:

うつ病をテーマにしたサイトを更新していると、昔の自分に言いたいことが増えていきます。
今さら言ったところで、過去は変えられません。
でも、同じ病気の人が見たら、何か得るものがあるかもしれない。
そう思って、昔の自分に言いたいことを書き出してみました。

注意ポイント

うつ病の人が読んだ場合、気が滅入るかもしれません。

誰も助けてはくれない

結局のところ、誰も助けてはくれません。
その苦しみは、すぐには取り除けないという意味で。

そう言われると「希望が無くなる」と思うでしょうが、場合によっては希望を失うことで、楽になることもあるでしょう。
その理由は、読み進めれば、わかるはず。

医師に助けを求めるなら

自分を助けてくれる存在の最有力は、薬と医師だと思っていることでしょう。
それを否定する気はありません。

ただ、世の中には色んな人がいるように、医師にも色んな人がいます。
そして、医師の見方もひとつではありません。
同じ医師であっても、人によって違う評価をするものです。

「あの医師はいい」
「いや、あの医師はダメだ」

そんな個人的な見解があふれていますが、すべての意見を聞くわけにはいきません。
いちいち真に受けてしまうのは、回復という道の真ん中で足踏みするようなもの。

この医師の治療方針で行こうと決めたら、違う意見を聞くたびに方針変更せずに、真っすぐ進んでいきましょう。違う意見を聞くと、心が揺らぐというなら、情報を遮断してもいいです。

色んな意見を聞くほどに、不安が募っていく。
「このままでいいのか」という不安が広がっていく。
だったら、入ってくる情報を減らすことで、「このままでいいのか」と思うキッカケを減らすべきです。それで不安要素を少なくすることが可能なのですから。

薬は万能じゃない

苦しみから解放してくれる万能薬を求める気持ちもわかります。

でも、飲めば一発で治るような万能薬は無いですし、処方される薬も効くとは限りません。
あの人には効いたけど、この人には効かなかった。そういうのは、ざらにあります。
何せ、抗うつ剤の効く確率は、高いとは言えない……。
※ この確率に関しては、次項で補足します。

そもそも、薬の説明欄には「〇〇を和らげる」「〇〇を抑える」と書かれています。
他の病気のように「〇〇を治療する」といった文言ではありません。
つまり、症状を緩和する薬であって、治すものではないのです。

緩和しなくては辛いから、薬を飲んで休むしかない。
だから、まずは『早く治す何かがある』という希望は捨て、時間がかかるものだという諦めを抱くことで、肩の力を抜きましょう。

薬の副作用を見聞きして、やめたくなる気持ちもわかります。
でも、ただでさえ判断力が低下しているのに、素人判断で薬の量を変えるのは危険です。減らしたかったら、主治医に相談しましょう。

検索しても助からない

抗うつ剤の効く確率なんて言われると、検索して調べたくなるでしょう。
うつ病の再発率が高いと聞くと、「自分も、そうなんだ」と思って知りたくなるでしょう。

でも、それを知っても仕方ありません。
第一、確率なんてものは他の誰かのデータであって、あなたのデータではないのです。

過去に100人を調査し、95人が該当したから、95%というだけの話。
100人分の他人のデータに過ぎません。
あなたが95%の確率でそうなると言ってるわけじゃない。

その確率に関係する仕事をしているなら別ですが、ただでさえ具合が悪い状態で、無理をしてまで知る必要のない情報です。

それに、抗うつ剤の効く確率は、一括りにしていいデータではないのです。

担当医に訊いたところ、抗うつ剤は症状が重い人ほど、効果が確かだと言われました。
中等症より重症の方が効くという話です。
他にも、内因性は効きやすい。環境が原因だったり、発達障害が絡んでいたりすると効きづらい。非定型(メディアは新型と書く)と呼ばれるものも効きづらい。
そんな傾向があるのに、被験者の詳細が不明な確率だけ見ても仕方ありません。

それは、食料自給率を見せられて「もっと自給率を上げよう」と言うものの、その計算方法を知らないようなもの。
自給率の計算方法が2つあるとか、カロリー計算だとか、日本くらいでしか使われてない算出方法だとか、そういった重要な判断ポイントが目立たないまま、データだけが大々的に広められているのが現状です。
何を意味しているかもわからない数値を知るくらいなら、何も知らない方が、変な方向に誘導されなくていい。
精神的に余裕が無いときは、そのくらいの捉え方で、よいのではないでしょうか。

焦らせる情報の正体

それは就職に関する情報も同じこと。
年齢による限界説なんて、不安を煽って記事を読ませたい輩の戯言。
周りを見れば、それを否定する事例は山ほど。人それぞれ、会社それぞれ。

不可能という事象は、すべての可能性を試して初めて言えるものです。
可能性がある限り、不可能は立証されないので。
限界も同じこと。充分な検証もせずに、言えることではないはず。

人は不安を煽られると、冷静さを欠いて、判断力が低下します。

「それは危ないよ。このままでは大変なことになる。でも、これを買えば大丈夫」

よくある不安を煽って物を買わせる言い方です。

「あの食品は危ない。食べ続けたら大変だ。少し高くても、これを買うべきだ」

そう主張しているのは、『買うべき』とされる食品を作ってるメーカー。
売りたいがために、都合がいいデータだけを提示し、不都合な事実は伏せる。それは読み物ではなく、悪質な広告です。
私たちは知らず知らずのうちに、宣伝を読まされていることがあります。その宣伝を真に受けても仕方がない。

限界説に関しても、似たような事情が透けて見えませんか?

質問しても助からない

Yahoo!知恵袋で質問したら、解決するかもしれない。
そう思うかもしれませんが、あなたを見たこともない素人に、何が判断できるというのでしょう。

質問者は自分より下。
知らないから訊いているし、教えてやれる自分は立場が上。
そんな気持ちが、にじみ出ている回答が待っています。
中には、病気の人を馬鹿にする回答が寄せられ、気分を害する質問者もいるでしょう。

飲んでいる薬のことを書けば、薬マニアのような人が寄ってきて、ああだこうだ言いますが、先に書いた通り効果は人によって差があります。
「ネットで質問できるだけマシ、自分はもっと酷い状態だった」と、不幸自慢を始める人もいるでしょう。

うつ病のときは、回答者のプロフィールを見る余裕はないでしょうが、回答者の多くは同じ病気の人です。治っていない人が、自分のことはそっちのけで、他の人にアドバイス。
不思議と言えば不思議ですが、彼らだって存在意義を見出したいのです。

うつ病になると、自分に対する評価が下がりがちです。
存在価値が見出せなくなり、自己嫌悪に陥ることもあるでしょう。
そんな状態でも、自分が過去に経験した道を通っている人や、自分より病歴が短い人相手なら、優位に立って存在感を発揮できる。役に立てると思っている。
そんな風に無意識レベルで思うから、病気関連の質問を待っているのかもしれません。

私にも、そういうところがあるので、こんな文章を書いているのでしょう。

たまに、うつ病が治ったことで妙な自信をつけ、上から目線で語ってくる人もいますが、その人と同じ症状でないのなら、参考にするのはどうかと思います。
他の人にとっての正解が、あなたにとっても正解とは限らないので。

Yahoo!知恵袋も、質問の仕方によっては有益な回答が得られます。
ただ、うつ病が原因で頭の中が整理できないのであれば、良い回答を引き出す質問は難しいかもしれません。
それに、回答が寄せられても、次のように思うのではないでしょうか。

「この回答を信じていいのだろうか」

そして、その回答が正しいのか確かめるために、また別の質問をする……。

誰かに何かを訊く前に、その人のことを信じられるか。それを自分に問いかけるべきでしょう。
誰かに質問するより、自分に質問して、答えるのが先。

自分の心の内をハッキリさせなければ、何かに納得するのは難しいもの。
誰かに話を聞いてほしいだけなら別ですが、何かを変えようとしているのなら、今の自分に必要な情報は何か、整理してから動きましょう。

誰かと話したいなら

一人でいると不安になって、誰かと話したい衝動に駆られる。
もし、そうなったのなら、家族との同居を検討した方がいいでしょう。

無料の電話相談は混み合っていますし、長々と話すわけにもいきません。
寂しさが紛れるかもしれませんが、一時的なことなので事態の解決には繋がらないでしょう。

自分が相談員だったら、見知らぬ人の治療に対して、何かを断言するのは避けるはず。
担当医と意見がぶつかったら、治療方法に疑問を持つかもしれない。それは、よくないと思うでしょうから。

友人や知人と会ったとしても、一緒にいるのが訳もなく辛かったりします。

会うとしんどい、起きて一人でいると不安になる、だから寝続ける。

だとしたら、より多く寝続けられる環境を求めても、いいのではないでしょうか。
家族と一緒なら、家から出なくて済むかもしれません。
家族によっては干渉されることが増えたり、起きているよう促されたりするかもしれませんが、誰かと話す機会は増えます。

何より、治療に時間がかかるなら、その間の出費は控えたいところ。
お金の減りが早いと不安も募るので、少しでも不安を減らせる選択をしましょう。

助かる方法を探すより

「助からない」と連呼されると落ち込むかもしれませんが、「すぐに治る何かがあるかも」と、無理をして探すほど悪化しがち。

一ヶ月後には治っているかもしれない。
即効性のある何かを見つけて、劇的に変わるかもしれない。

そんな根拠の無い希望が、自分を痛めつけるのです。無理をさせるのです。
時には、すぐには回復しない絶望の方が、優しい発想と言えるでしょう。

人の役に立つこと

「働かざる者食うべからず」

そんな言葉を見聞きすると、何かしなくてはダメな気持ちになるかもしれません。
そこへ、権威ある人の「うつ病から抜け出すには、人の役に立つことが一番」なんて言葉を聞かされたとします。

なるほど、自尊心の回復が必要なのかと、それを実行に移したところで、その心境を理解してくれる人は少ないでしょう。
都合よく扱われることになって、後で悔しい思いをするかもしれません。

自分に対する自信が失われると、普段なら相手にしない人の意見も聞いてしまうもの。
「人の役に立つ」と「都合よく使われる」のは別物。
相手がすべき作業を押し付けられ、肩代わりするのは、相手にとってもよくありません。

その作業をすることが当たり前になったら、調子が悪くて対応できないときにも押し付けられます。
自分がすべき仕事を押し付けるような人は、文句は言っても感謝はしません。
感謝がなければ、役に立ったとは思えない。

だから、他人を都合よく使おうとする人の傍には行かない。無理をしてまで、役に立とうとは思わない。
今の仕事は休むことだと割り切ってもいいでしょう。

もっと配慮して欲しい

「こっちは病気なんだ」

そう言いたくなるときもあるでしょう。
でも、相手にとっては知ったこっちゃない。これが現実。

家族と言えど、気持ちをシンクロさせることはできません。
同じ人生を歩んでいるわけじゃないので。

彼らには彼らの人生があって、あなたの為に生きているわけじゃない。
それは、あなたにとっても同じことでは?

「みんな、病気のことをわかっていない」

そう思うこともあるでしょうが、家族の誰かが病気になったとして、その病気について詳しく調べますか?
今までに見聞きした病気の情報や、医師から言われた言葉だけで、その人への接し方を決めたりしませんか?

自分が相手の立場だったらしそうにないことを、求めるのは強欲というもの。

すべてを受け入れろとは言いませんが、あれもこれも期待してはいけません。
人の欲望には際限がない。
不満点が1つ解消されれば、別の不満点を探して改善を要求する。そんなことをし続けるくらいなら、どこかで諦めた方が気持ち的に穏やかになれるというもの。

でも、嫌なことは嫌だと伝えておかないと、気づかない人もいるでしょう。

「何も言わないから、いいと思った」

無神経な人が大好きな言い訳です。
言いづらければ、文章で伝えるのもいいでしょう。

嫌なことは嫌だと言う。
うつ病になるような人にとっては、大事なステップかもしれません。

立ち直った人の話

「これで、うつが治った」

そんな感じのタイトルを、よく見かけることでしょう。
「これで、自分も」と思うかもしれませんが、その人と同じ症状でしょうか?

うつ病になった経緯が違う。症状も違う。
なのに、同じことをすれば治ると思うのは、どうなのでしょう……。

何か共通点があるなら、得られるものもあるかもしれませんが、「うつ」という言葉だけで、自分と同じだと判断するのは、早急ではないでしょうか。

立ち直った人の話は、毒にも薬にもなります。
話を聞いて励みになるならいいですが、「自分も続かなくては」と追い込むようなら、目にしない方がいいかもしれません。

それは当サイトにも言えること。
共通点が見当たらないようなら、ページを閉じた方が精神衛生上いいでしょう。

根本的な解決策

「早く元に戻りたい」

病気になった後、そう願うこともあるでしょう。
ですが、少し考えてみてください。

その元の状態で、今の病気になったのです。
すべてを元に戻してはいけない。元に戻したら、同じことの繰り返し。
そんな気はしませんか?

意図しない方向に何かが変わったら、取り敢えず元に戻そうとしますが、元の状態よりもベストな状態はあるはず。

人生のゴールは、1つじゃないし、進める道も1つじゃない。

以前のスタイルで病気になったのなら、それは自分に合ったスタイルじゃなかったのです。
無理をしてまで「元のスタイル」に戻す必要なんかありません。

この際、自分に合ったスタイルを模索するのも一興。

何か問題が発生して、それに対処すると「解決した」と言います。
でも、同じ問題が発生するなら、それは解決していません。
同じ問題が発生しない状態になって、初めて解決したと言えるのではないでしょうか。

何を言いたいのかといいますと、「これなら、もう病気にはならない」という状況の実現。
それが根本的な解決ではないかということ。

そんな夢みたいな状況を妄想し、そこに向けて取り組むのが、今後の人生にとって建設的かもしれません。

お金で消える不安がある

「病気が治っても、働けるか不安」

それなら、働かなくてもいい状況を作ればいい。

「家族の話し声が気になる」

それなら、音のない環境に引っ越せばいい。

「人間関係が煩わしい」

それなら、一人でも生きられる状況を作ればいい。

「でも、そんな資金は……」

無いなら、稼げばいい。
これで人生がシンプルになりました。

「どこにも雇ってもらえそうにないのに、稼げと言われても……」

そう思う人もいるでしょう。私も、そうでした。
でも、稼ぎ方は1つじゃない。誰かに雇われなくても、お金を稼ぐことはできる。
病気で家にこもっていても、収入を得ることはできます。
実際、私は家から出ずに稼げたことで、だいぶ気持ち的な余裕が生まれました。

そんなに多くを稼げたわけではないですし、収入も減少傾向で困っているところもあります。
ですが、「これで稼げる」と知る前と、知った後では、人生の難易度が変わりました。

すべての人にオススメできるわけではありませんが、その稼ぎ方は「病気の人が、ネットビジネスで稼ぐ方法」というページで書いています。

ただ、勘違いしないでほしいのは、ヒントみたいなものは言えても、具体的な手法は明かせないということ。
まったく同じ手法を取る人が増えれば、自分の首を絞めることになるので。
そんなデメリットがあるのに、こうして書いているのは、過去の自分にそう言いたかったから。同じ答えを求めていそうな人に伝え、少しでも楽になってほしいからです。

うつ病の人を助けたい人へ

このページは、同じ病気の人が読んだ場合のことを想定して書いています。
もしも、あなたが病気の人を助けたい側でしたら、次のことが参考になるかもしれません。

うつ病になった人が言う「死にたい」は、「生きたい」と同じ。

本当に死にたかったら、何も言わずに死んでいます。
この苦しみから逃れて生きたい、逃れられないなら死にたい。でも、本当は生きたい。誰か助けて。
そんな感情を一言で言うと「死にたい」になります。

面倒くさいとお思いでしょう。
でも、それは病気が言わせている言葉なのです。
元気な状態なら、そんなことは言いません。

同じように、やたらと今までの選択を後悔したり、自分を卑下したりするかもしれませんが、そのことを回復後に伝えると次のように言うはずです。

「あの頃は、どうかしていた」

そう、どうかしている時期なのです。
ただ落ち込んでいるだけのように見えるかもしれませんが、気分転換を促して何とかなるなら、とっくに本人が実行に移しています。
親切心から気分転換になるようなことに誘っても、逆効果になることが多いで、求められない限りは、放っておくのが無難かもしれません。
個人差はあるでしょうが、少なくとも私はそうでした。

経済的な問題に関しては、医療費なら自立支援医療制度。
給付に関しては、障害年金。場合によっては傷病手当、労災認定。
減税に関しては、精神障害者保健福祉手帳があります。
就職なら、就労移行支援という手もあるでしょう。

特に、精神障害者保健福祉手帳は、障害者の親族を扶養している人も対象です。
大変かもしれませんが、適切な距離を保って、その人の心に寄り添ってあげてください。
どうか、よろしくお願いします。

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