購入経緯
「冬季うつ病は、日照時間と深く関係している」
「光療法は、冬季うつ病以外のうつ病の治療にも有効」
そんな話を聞き、どのくらいの光を受けて暮らしているのか、知りたくなったというのが、照度計に興味を持った理由です。
自分は冬季うつ病ではないと思っていますが、うつ病には違いないので、光の量に関しては気になるところがありました。
照度計を販売していたショップのラインナップを見るに、カメラを扱う人が買う物なのかもしれません。写真の学校に入ると、買わされるなんて話も見かけます。
そういったところで使うのは、精度を示す検査成績表や校正証明書付きの物かもしれませんが、私が買ったのは2,334円の説明書以外は付属していない物。
ちょっと、わかればいいかなくらいだったので、通販で安く買える物を選びました。
使い方
購入したのは、SMART SENSOR AS803。
単4乾電池3本で動きます。
使い方は次の通り。
使い方
1.計測したい場所に行く
2.電源ボタンを押す
以上です。
初期状態では、Lux(照度)を表示しますが、測定単位をFC(フードキャンドル)に変更することも可能。ボタンひとつで変わります。
Lux(照度)は、光に照らされた物の明るさのこと。単位はlx。
FC(フードキャンドル)は、1(fc)=10.764(lx)で換算されます。
なお、説明書がフードキャンドルと書いているので、フードキャンドルとしていますが、おそらくフート・キャンドルと書く方が一般的。
モード切替ボタンを押すと、最大照度が表示されるMAX、最小照度が表示されるMIN、測定時の照度で固定されるHOLDと変わっていきます。
温度計も付いていて、摂氏・華氏の切り替えが可能。その切替ボタンを長押しすることで、バックライトが点灯します。
測定部は、右側にだけ90度ほど回転可能ですが、使うことは少ないかも。
感想
先に書いておきますが、Luxが9,999を超えると、「Lux×10」と表示されます。これを見逃すと、実際は高いのに低いと思ってしまうかもしれません。
なお、測定範囲は 1~200,000Luxになります。
晴れた日に外で測定すると、余裕で9,999Luxを超えてしまいます。
雲が出ている日であっても、窓際に置くだけで5,000Luxを超えますが、部屋の中心部に持っていくと200Luxもありません。夕方になると20Lux以下になったりします。
部屋の中にいても日の光は感じますが、数値で見ると「外に出て受ける光」は段違いなんだと気付かされます。
同時に、私たちが感じる明るさと、測定される明るさには、差があることを実感します。
治療に用いられる光
人工的に光を浴びる光照射療法で用いられるのは、2,500Lux以上の光だそうです。
睡眠障害治療用の装置「ルーチェグラス」は、10,000Luxの模擬自然光で目を照らすもの。
光療法器具「ブライトライトME+」は、照射距離30cmで10,000Lux。
数値だけで比較していいかはわかりませんが、こうして比較すると改めて自然の光の強さを感じます。
ちなみに、夜中に投光器で照らしてみたところ、下の写真のような数値になりました。
もちろん、何が何でも強い光を浴びればいいというわけではないでしょう。
夜に強い光を浴びると、眠りを妨げる要因になり、身体リズムを崩す恐れがあると言われています。
また、「まぶしさ」「明暗のアンバランス」「紫外線」は、目のストレスの原因になるとも。昔は、部屋が暗いと目が悪くなると言われていましたが、因果関係は無いそうです。
眠りに関係するメラトニンの分泌と、夜間光の顔面照度の関係を調べた実験では、時間帯に合わせて照度を落としたところ、メラトニン抑制率が徐々に低くなっていったという結果があります。
具体的には、20時に100Luxだったものを2時間後には65Lux、さらに2時間後には34Luxまで下げたら、メラトニン抑制率も22%→12%→7%と徐々に低くなったとか。
光の加減で自然な眠りを誘引できるという話になります。
眠れなくて悩んでいる人は、浴びている光の量を見直してみるのも、いいかもしれませんね。