うつ病の話

うつ病で働けない人を支援する制度と現実

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うつ病になって退職した後、この先の収入について悩みました。
まともに働けない状態なのは、自分でよくわかっていましたし、経済的な余裕もなかったです。

何か良い対処方法はないかと探したところ、自分のような人を支援する制度が、幾つかあると知りました。
そのときに知った制度のこと、実際に利用した経験談をまとめたのが、このページになります。

書いてある内容を表にすると次の通り。

名称 対象者 内容
自立支援医療 継続的な治療が必要な人 精神疾患に限り、医療費の負担割合が1割に
傷病手当(健康保険) 業務外の病気やケガで働けなくなった健康保険の加入者 給与の2/3を受け取れる。期間は最長1年半
傷病手当(雇用保険) 退職者 就職活動報告なしに失業手当と同額の支給。ただし、就職困難者扱いなら給付期間は伸びる
労災認定 労災認定要件を満たし、時効前に申請している人(退職者も含む) 給付内容による
休職 会社による 会社による
障害年金 病気や障害によって日常生活や働くことが困難な人が、支給条件を満たしている場合 等級による
精神障害者保健福祉手帳 初診日から6ヶ月以上が経過し、精神疾患が原因で生活に制約がある人 等級による

精神疾患の状況別に、検討する内容を書けば次の通り。
・継続的な治療が必要 ⇒ 自立支援医療
・初診日から6ヶ月以上 ⇒ 精神障害者保健福祉手帳
・仕事が原因 ⇒ 労災申請
・仕事以外が原因 ⇒ 傷病手当(健康保険)
・初診日から1年6ヶ月以上 ⇒ 障害年金

自立支援医療

自立支援医療制度

精神疾患に限り、医療費の負担割合を1割にする制度です。
当サイトの他ページでも触れていますが、対象となるのは継続的な治療が必要な人で、適用になる病院・薬局は申請時に届け出たところのみ。入院は対象外です。

精神疾患に限られるので、風邪で内科に行った、歯の治療をしたといったことは適用外。

申請時に必要なのは、自立支援医療の支給認定申請書、診断書、健康保険証のコピー、それから課税状況がわかるものといった具合ですが、自治体によって異なるようです。
なので、詳細は各自治体のホームページをご参照ください。

医療費

確か、自立支援医療用の診断書は、4,000円くらいしたと思います。
仮に月の医療費が5,000円で、3割負担の1,500円を払っている場合、1割になれば500円で済みます。2割分にあたる1,000円安いので、年間では12,000円 節約できる計算になります。そこから診断書の4,000円分を引くと8,000円。

医療費によっては、そんなに変わらないこともあるでしょう。
申請から受給者証が届くまでは、2~3ヶ月ほどかかったと記憶しています。

有効期間が決まっていますので、期限が近付いたら更新することになり、治療が不要になった場合は返還します。

傷病手当

傷病手当と聞くと、健康保険絡みの給付という認識が強いと思いますが、雇用保険絡みの傷病手当もあるので、紛らわしいと個人的には思っています。

どちらの傷病手当も、精神的に余裕がないときに接する傾向があるので、もっとわかりやすいといいのですが……。

健康保険絡みの傷病手当は、健康保険の加入者が病気やケガで働けなくなった際に、給与の2/3を最長1年半もの間、受け取れる制度になります。
ただし、業務外のケガや病気に限られるので、その時点で私は無関係となりました。

どう考えても仕事が関係していたので、労災認定の線で考えたら よかったかもしれません。
でも、当時は そこまで頭がまわらない状況でした。
病んでいたわけですからね……。

傷病手当支給申請書

結局、退職後に失業手当代わりに、雇用保険絡みの傷病手当を受け取って終了。
支給額は失業手当と同じで、就職活動報告を必要としないかわりに、傷病手当支給申請書を提出する感じです。

もし、障害者手帳を取得していたら、就職困難者という扱いになったので、給付期間が大幅に伸びたことでしょう。
病気によっては、医師の意見書だけでいいという話もあります。

労災認定

精神障害の労災認定要件は次の通り。

労災認定要件

・認定基準の対象となっている病気であること

・発病前の6ヶ月の間に、業務による強い心理的負荷があること

・業務以外の心理的負荷や個人的な原因で発病したと認められないこと

少し くだけた表現にすると、このようになります。
要は、本当に仕事が原因なのか、個人的な要因が大きくないか、そういった条件をクリアにする必要があるという話。

認定基準の対象となっている精神障害は、「疾病及び関連保健問題の国際統計分類ICD-10」によるもので、その分類はF0~F9に分けられます。
うつ病は、F3の「気分障害」の項目に当てはまります。

発病の原因が業務にあると認定される基準は、非常に細かなものになりますので、詳細は省きます。
省きますが、うつ病でまいっている人が、こういったことを一人で調べて実行に移すには、ハードルが高いのではないでしょうか。
利用するとしたら、周囲の人がサポートするか、労災保険相談ダイヤルに電話して、アドバイスを乞うことになるような気がします。

因果関係が認められるまで時間がかかる、労災隠しといったことも懸念されます。

退職後でも労災申請は可能ですが、給付ごとに時効となる年数が違います。
障害補償給付と遺族補償給付は5年、それ以外は2年です。

休職

休職に関しては、その会社の就業規則によると思うので、あまり書けることがありません。

休職しても給与の何割かもらえるところもあれば、まったく出ないところもありますし、休める期間にも結構な差があるようです。
会社によっては、「休職なんて、あり得ない」というところもあるでしょう。

休職して傷病手当という選択肢もありますが、私には経験のないことになります。
ただ、同僚が同じ病気になって休職した際、「しばらく休みますが、また出てきたときに、変わらず接してくれたら嬉しいです」と言っていたのを覚えています。

その同僚が口に出して言ったわけではありませんが、「みんなが働いているときに休んで、すみません」と言われているような気持ちになりました。

あのときの申し訳なさそうな顔を思い出すと、休職しても精神的には休めていなかったのではないか、そう思えてなりません。

休んでも職場が気になって仕方がない。休んでいる自分に罪の意識を感じる。
そういう人だから、こういう病気になるような気もします。

障害年金

障害年金は、国から支給される公的年金のひとつで、病気や障害によって日常生活や働くことが困難な人が対象です。

ほとんどの傷病が障害年金の対象であると、とあるNPO法人のサイトには書かれています。

障害基礎年金は1級~2級。
障害厚生年金は1級~3級。

条件としては、以下の通り。

支給条件

・病気やケガの初診日から、1年6ヶ月が経過していること

・国民年金などの保険料は、加入期間の2/3以上納めていること

・障害等級に該当すること

なお、障害者手帳と障害年金の判定方法は別もの。
この判定に関しては、各所で色んなことが言われています。

私の場合、医師から「一人暮らしをしている時点で、日常生活が送れていると判断されるから通らない」と言われて、断念した過去があります。
判定は診断書次第なんてことも言われているので、医師が不受理になるという認識だと、そこから先はないのかもしれません。

障害判定における診断書次第、医師次第の最たる例は、北海道で発覚した身体障害者手帳の集団不正取得事件かもしれません。悪い意味で。

再度、確認して知ったのですが、障害年金の請求が遅れても、最大5年分までさかのぼって受給することが可能らしいです。
また、「通らない」と言われたのは数年前なので、今の担当医に訊いたところ、うつ病は通りやすくなったという印象を持っているようでした。
あと、仕事をしている場合は、働いている時間と収入が問われるそうです。

余談ですが、障害年金は病気によって通りやすさが違うそうで、統合失調症で就労支援施設に通っているケースなら、ほぼほぼ通るみたいな話も聞きました。

就労支援施設

就労支援施設、いわゆる作業所に行っている人が通りやすいのは、そうしないと生活できないという面が強いからかもしれません。
就労支援施設にはA型とB型があります。B型での労働は給与ではなく工賃になりますが、1時間あたり数十円という計算になることが多いようです。雇用契約を結ばないので、最低賃金は適用されませんが、その分だけ調子に合わせて働けるという感じでしょうか。
作業所にもよるでしょうが、送迎するスタッフ、仕事を手配するスタッフ、あまり稼げなそうなビジネスモデルを考えると、少ない工賃も仕方ない気がします。
内職をしても数百円レベルの収入なので、同じようなことして稼げるとは、到底 思えません。
実際、就労継続支援A型事業所でさえ、約7割が国や自治体から受けとる運営費や助成金で賃金を補っているというニュースがありました。

厚生労働省の「障害者の就労支援について(平成27年)」によると、就労継続支援B型における平均工賃は、平成25年度の利用者1人当たり月額14,437円となっています。
時給換算では178円ですが、そこから必要経費が引かれるので、実質 数十円という書き方にしました。

就労継続支援B型は、授産的な活動を行って工賃をもらい、A型や一般就労を目指すもの。A型は雇用契約を結び、一般就労を目指すものになります。A型の場合は最低賃金以上となりますが、B型は授産施設平均工賃が基準となります。施設によっては見学も受け付けているようです。

通う利点としては、家の外に居場所ができる、社会復帰のキッカケになるというのがありますが、一方で お金を払って通っている状態になったという体験談も見かけます。

精神障害者保健福祉手帳

障碍者年金

精神障害者保健福祉手帳の対象となる条件は以下の通り。

条件

・精神疾患が原因で、長期的に日常生活や社会生活に制約がある
・初診日から6ヶ月以上が経過している

 

障害等級は1級~3級まであって、税金の障害者控除、生活割引サービスなどが受けられます。
割引サービスの例を挙げれば、公共料金の割引、携帯料金の割引といったもの。
税金の障害者控除は、障害者である親族を扶養している人も対象になります。

私が住んでいる場所の役所に問い合わせたところ、3級なら所得税で27万、住民税で26万円の控除が適用されるそうです。申請が受理された際に、その辺のことが書かれたガイドブックを配布しているので、詳細は取得してからとのことでした。

医師に訊いたところ、うつ病が原因で仕事をしていないなら、3級は通るそうです。
2級は症状の程度によるようですが、1級になるのは極めて稀なんだとか。それは障害年金にも言えることらしいです。

なお、身体障害者手帳とは違って期限があるので、持ち続けるには更新する必要があります。
通院している病院で訊いたところ、手帳を持つことに対して、家族の理解を得られないケースも多いようです。

障害者雇用促進法

2018年に障害者雇用促進法が改正され、精神障害者も法定雇用率に加算されるようになりました。その対象となるには、「精神障害者保健福祉手帳」の所持者である必要があります。
と言っても、以前から法定雇用率に加算してもよいとされていました。ただ、精神障害者という名称ではなく、身体障害者か知的障害者になっていたようです。
法定雇用率は、従業員数が一定以上の事業主は、定められた割合の障害者を雇用する義務があるというもの。
以前は、民間企業で2.0%でしたが、2018年4月1日以降は2.2%。国・地方公共団体等は2.5%になっています。対象となる従業員数も、50人以上から45.5人以上に広がっていて、法定雇用率は さらに引き上げられる予定です。

障害者の就業が困難な業種は、除外率が設けられていますが、廃止の方向で段階的に引き下げられています。
障害者雇用率が未達成の事業主は、不足する障害者数1人につき月額50,000円の障害者雇用納付金を納付することになりますが、減額特例が適用されている場合は額が変わります。
納付金は、雇用率を達成した企業に、調整金や報奨金として支給されます。そのほかに助成金もあります。

障害者雇用のモデル事例は「障害者雇用事例リファレンスサービス」で検索することができます。

「精神障害者保健福祉手帳」を持っていなくても、通院していれば障害者枠になると案内をされ、入ってみたら本当は加算できなかった。それを「水増し」という表現で報道されることも……。

最後に

取り上げた制度以外にも、適用されそうなものはあります。
ただ、認定がどうのといった類いに関しては、病んでいるときに実行するには、少し厳しい面もあるように思えます。
一人で無事に申請したとしても、「どんな判定を受けのるか」が気がかりになり、不安を募らせることもあるでしょう。

病状が回復した今だから書けますが、うつ病でしんどいときは、誰かの力を借りた方がいいです。
その相手は家族はもちろん、信頼できる友人や知人、専門の相談窓口でもいいですし、支援団体でもいいでしょう。
とにかく、一人で悩まないのがベター。そんな風に思います。

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私は誰かを頼るのが下手で、何でも一人で解決しようとする傾向がありました。
いや、今でもあります。

そのおかげで、「一人で背負いこんで自爆する」なんて言われる始末。
そうならないためにも、困ったときは誰かに助けを求めて、人を頼るスキルを“磨く”のも、よいのではないでしょうか。
病気のときが、一番 頼りやすいときかもしれませんから。

ちなみに、冒頭で経済的な余裕がなかったと書いているので、その辺はどうしたのか気になる人もいるでしょう。
結論から言えば、アフィリエイトで収入を得ました。

だから、こんなサイトを作っていますし、同じ病気になった人に向けて発信しています。
自立支援医療などは利用しましたが、それで負担が大幅に減るということはないので、障害年金が支給されない限りは、何らかの収入源を探すことになるでしょう。
無理をして再就職するよりだったら、今はネットで稼ぐことを考えた方がいいかもしれません。

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