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光トポグラフィー検査の費用と結果|信憑性を疑う理由

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数年前に、光トポグラフィー検査を受けたとき、検査費用は全額自己負担で13,000円でした。今では、条件を満たせば保険診療の対象になるそうです。

検査の信憑性というか、精度を疑問視する声については後で触れていますが、今になって冷静に判断すると「受けなくていい検査」というのが正直なところ。
その理由は読んでもらえれば、わかってもらえると思っています。

 

光トポグラフィー検査とは

光トポグラフィー検査は、脳の血流量の変化を見ることで、精神疾患を判断しやすくする手段になります。
具体的に、どんな検査方法かと言いますと、赤外線を放つ装置を頭に装着し、課題をこなしたときのデータを記録するというもの。

用いられる赤外線(近赤外光)は、曇りの日より弱い光で、安全性は広く認められていると、検査を受けたクリニックの説明書きにはありました。

課題は言語流暢性課題と呼ばれるもので、「あ」で始まる単語を言うといったことの繰り返しました。いくつ答えられたのかを測るのではなく、脳の血流量の変化だけを追うことになります。

検査の結果

光トポグラフィー検査の結果は、下の画像のような波形になります。
その波形タイプによって、特定の精神疾患パターンが見られるのか、健常者と変わらないのかが判断されます。

光トポグラフィー検査

私の結果は、うつ病、双極性障害、統合失調症、健常者のいずれのパターンにも該当しないというもの。
ただし、前頭葉がまったく反応していないので、新しいことを覚えられない。処方されている薬から、「うつ」と判断するのが妥当だと言われました。
わざわざ書くのもなんですが、実際には「新しいことを覚えられない」なんてことは、ありませんでした。

光トポグラフィー検査は診断補助が目的なので、あくまで手掛かりに過ぎません。
厚生労働省に先進医療として承認されていますが、この検査だけで「この病気です」と言うことはできない、病気の証明にはならないと説明書きにあります。

説明書き

とはいえ、病んでいるときに検査のことを知れば、科学的な証明書のように捉えても仕方ありません。
文字が多い説明書きを渡されたところで、熟読しようという精神状態でもないでしょう。
そういう意味で、診断補助であることが強調されていない医療機関は、病んでいる人間の身になっていない。患者への配慮よりも、検査による収入が大事。そんな感じがします。

 

検査の信憑性

うつ病(大うつ病性障害)、躁うつ病(双極性障害)、統合失調症にかかっている人の検査データと、臨床症状に基づく鑑別診断の結果の一致率は、それぞれ約7~8割と説明書きにはありました。

平たく言えば、この検査と問診の結果は、7~8割は一緒ということ。

ただ、この検査の精度について、疑問視する声もあります。

まず、検査を受ける人が飲んでいる薬の影響があること。
うつ病と診断され、気持ちに変化をもたらす薬を飲んでいる場合、それは脳に作用していると言っていいでしょう。
その作用が脳の血流を測る検査の結果に、反映されているとしても不思議はありません。

次に、脳の血流量だけを見られるのならいいのですが、実際には頭皮の血流もデータに入ってしまっていること。

この疑問に対しては、次のような反論があります。

頭皮のデータも一定割合で混入しているものの、それも織り込み済みであり、最初から頭皮の血流が含まれた状態で、特徴的なパターンが提示されているので問題ない。

しかし、薄毛に悩む人向けの商品を見ればわかる通り、頭皮の血流量は個人差が大きいです。そんな振れ幅が大きいものをどう織り込んだのかが気になるところ。

疑問視する声としては他に、検査結果は個人差が大きいので、各病気の特徴的なパターンから外れる人が多い。
言語流暢性課題と病気の関係性が不明。
脳深部の測定ができない。
同じ検査を繰り返すと違う結果が得られる可能性があり、再現性という面でも疑問が残るといったものがあります。

うつ病と一括りにしてしまいがちですが、病名が同じだからといって、症状も同じとは限りません。抗うつ剤も、症状の程度や非定型(メディアは新型と書く)か否かで効き目が違うと聞きます。
そういう意味で、内因性のうつ病にパターンを固定すると、他が引っかからないみたいな可能性はあるでしょう。
それ以前に、各症状を示す波形に大きな差が無かったりします。

他の懸念点も気になりますが、再現性が無いのは科学として問題があります。
同じ体温なのに、測ったときによって体温計の数値が変わるとしたら、指標として役に立たなくなります。それと同じこと。同じ条件なら、同じ結果が出ないと、使う意味がありません。

費用と注意事項

私が受けたときは、検査費用は全額自己負担で13,000円でした。
2014年4月からは、条件を満たせば保険診療の対象となっているようですが、その条件は「抑うつ症状でうつ病と診断されているが、治療の効果が乏しく、統合失調症、あるいは双極性障害の可能性が考えられると医師が判断した患者」と非常に限定的です。

もし、検査を受けられるのでしたら、次のことに気を付けた方がいいでしょう。
装置は頭部に装着することになりますので、整髪料や化粧は控えめにしないと、結果に影響が出てしまいます。
なお、かつらや入れ歯は、検査時に外すことになります。

検査の対象となるのは、統合失調症・統合失調症型障害および妄想性障害に分類される疾患、気分障害に分類される疾患のいずれかの疾患であることが、強く疑われる人になります。
うつ病は気分障害の分類に入っていますが、器質的疾患に起因するうつ症状の人は除きます。脳梗塞や頭部外傷など、脳に明らかな病変がある場合は対象外ということ。パーソナリティ障害、てんかんが原因のうつ状態も同様です。

検査の意義と儲け主義

精神疾患には、超音波や心電図のような指標がありません。
データとして見られるものがないので、精神疾患は医師の診断がすべて。

そこに新たな指標をもたらす意義はあるでしょう。
症状が似ている疾患もあるので、Aという病気だと思っていたけど、実はBだったと気付くキッカケになるかもしれません。
ですが、光トポグラフィー検査には、違った側面が見られます。

光トポグラフィー検査ができる医療機関では、高額な自費診療をしているところが少なくありません。

光トポグラフィー検査のできる病院は多くないので、検査機器を導入すれば集客に繋げられるでしょう。この検査を受けたい人は、検査機器があるところを選ぶしかないので当然です。
そして、病気であることを視覚的に見せられれば、その原因みたいなものも把握しているのではないか。この医療機関なら治るのではないか、といった錯覚を抱きやすい。

そんな心理状態で、高額な磁気治療などをすすめられ、藁をも掴む思いで承諾。気づいたら経済的に困難な状態に……。
そうなる人がいるのではと、危惧するところがあります。

なので、医療機関のサイトなのに、やたらと支払方法に力を入れているなと思ったら、少し疑ってかかるくらいで、ちょうどいいかもしれません。

ちなみに、「光トポグラフィ」は日立製作所の登録商標です。
現場で使用されているのは、日立製作所のETG-4100(ETG-4100P)という装置。
検査ができる機関のサイトには、厚生労働省の認可を受けた機器と紹介されていることもあります。

誰のための薬なのか

日本の精神科医療の歴史について調べると、いろんな問題点が出てきます。ライシャワー事件からの動きとか、そういう話です。
日本に限定しましたが、ロボトミー手術でノーベル賞を受賞した話を見れば、科学の危うさみたいなものが、透けて見えるかもしれません。

そのロボトミーに取って代わるように出てきた抗精神病薬ですが、こちらも様々な副作用が指摘されていますし、製薬会社の副作用隠ぺい問題もありました。
グラクソ・スミスクラインのそれは、アメリカにおける罰金最高額になっているとか。

こんなことがあると、「薬を売るためには何でもする」「製薬会社は病気を治すよりも、病気にした方が儲かる」なんて発想を抱くのも無理ないかもしれません。

この辺のことに関しては、ジェレミー・ムーンチャイルドというペンネームの日本人が書いた『「うつは心の薬害。」: ~抗うつ薬により、難治性大うつ病になったパパの手記~』というKindle本が参考になるかもしれません。
そこに書いてあることを信じ切っていいのかは、別にしても。

製薬会社に関しては、『フラジャイル 病理医岸京一郎の所見』のとあるエピソードを思い出さずにはいられません。

精神的に弱っている人間ほど、つけこまれやすい人はいない。
その原因が病気なら、なおさら。
だからサポートすべきと思う人がいる一方で、カモにしようとする人がいる。

私自身、いいように付け入れられていた気がするので、自戒の念を込めて書いているところがあります。

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