日光の健康効果｜ビタミンDから気分改善まで

あまり外出しない生活を送っていると、日の光から遠ざかりがち。
そうなると、どんなリスクがあるのか確認してみました。

ビタミンDの生成

前に書いた記事でも触れていますが、紫外線を受けることでビタミンDが生成されます。
ビタミンDが不足すると、骨粗鬆症に繋がることも。

日光への曝露が不十分であると，ビタミンD欠乏症が起こりやすくなる。欠乏症により，骨石灰化が障害され，小児ではくる病，成人では骨軟化症が引き起こされ，また骨粗鬆症の一因となる可能性がある。
ビタミンD欠乏症および依存症 - 09. 栄養障害 - MSDマニュアル プロフェッショナル版

キノコなど植物由来のビタミンDも存在しますが、皮膚で生成されるのとは違います。

皮膚に存在する7-デヒドロコレステロールが紫外線（Ultra-Violet : UV）を受けるとステロイド骨格B環が開いて、プレビタミンD3となります。プレビタミンD3は体温で構造が変化し、ビタミンD3となります。
ビタミンDとは？｜環境儀 No.79｜国立環境研究所

ビタミンDは、小腸・腎臓・骨においてカルシウム代謝調節を行っていたり、細胞増殖・分化調節作用・免疫調節作用・骨格筋機能・血圧調節作用・心血管系疾患関与などを行っていたりするので、健康な骨から遠ざかっている認識のある人は特に注意。

メラトニンの分泌

寝つきが悪い、睡眠の質が悪い……。
そういった症状の背景に、メラトニンがあるかもしれません。

多くの生物でメラトニンは生体リズム調節に重要な役割を果たしています。鳥類での渡りのタイミングや季節性繁殖（メラトニンには性腺萎縮作用があります）などの季節のリズム、睡眠・覚醒リズムやホルモン分泌リズムなどの概日リズム（サーカディアンリズム）の調整作用があります。
メラトニン | e-ヘルスネット（厚生労働省）

セロトニンは、脳から分泌される睡眠ホルモンであるメラトニンの原料。
大原薬品工業：「けんこう名探偵」- ワン太郎が教える「健康のヒミツ」vol.1(2)-

日光を浴びることで、セロトニンという神経伝達物質の産生が促進され、それが夜にはメラトニンとなって睡眠を促す。
そんなところでしょうか。

セロトニンは幸せホルモンと呼ばれているので、気分改善を促したいときに外を歩くのは、理にかなった行為といえるかも。

皮膚疾患

昔から乾癬患者さんには日光浴がよいといわれてきました。これは日光に含まれる紫外線が、症状の緩和に役立つ働きをするためだと考えられています。
乾癬の日光浴の効果や注意点は？乾癬Q&A | 乾癬ネット

上記内容を踏まえれば、日光を浴びないことで、症状の悪化に繋がる可能性もあるはず。
実際、症状が出るのは肌を露出しない箇所が多いとのこと。

そういう意味でも、日光を浴びる意義はあるかもしれません。

治療にビタミンD3外用薬を使用する点を見ても、皮膚で生成されるビタミンと同じですので、関連性は高そうに思えます。

なお、乾癬は「かんせん」と読みますが、感染はしません。
原因は明らかになっていませんが、遺伝的に乾癬になりやすい体質があるとか……。
不規則な生活や食習慣、喫煙、ストレス、肥満、感染症、特殊な薬剤の環境因子が重なることで発症すると考えられているそうです。

最後に

もちろん、紫外線による悪影響もあるので、そちらの対策もした方がいいでしょう。

対策グッズといえば、日焼けローション、サングラス、日傘などが浮かびますが、ワンタッチで展開するテントなどを用いる人もいるようです。
とはいえ、1日20分程度の日光浴で充分らしいので、そこまで準備することもないような……。

紫外線の弱い冬の12月の正午では、那覇で8分、つくばでは22分の日光浴で必要量のビタミンDを生成することができるものの、緯度の高い札幌では、つくばの3倍以上の76分日光浴をしないと必要量のビタミンDを生成しないことが判りました。
体内で必要とするビタミンD生成に要する日照時間の推定 －札幌の冬季にはつくばの3倍以上の日光浴が必要－｜2013年度｜国立環境研究所

上記の通り、紫外線には地域差や季節差がありますし、何より天気による差が大きそうです。
紫外線測定器を買ったことはないですが、明るさを測る照度計なら購入してレビューを書いたことがあるので、数値が気になる人は見てみてください。