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【感想】マインドフルネス瞑想を実践してみて

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マインドフルネス瞑想で検索すると、吉田昌生氏の『マインドフルネス瞑想入門』が目につきやすいですが、当ページで扱っているのはジョン・カバットジン氏の『マインドフルネスストレス低減法』に書かれている瞑想法になります。

『マインドフルネスストレス低減法』は、「マインドフルネス」という言葉が使われるようになったキッカケと言われていますので、原点と言ってもいいでしょう。

マインドフルネスストレス低減法

始めようと思った理由

“余計なことを考えるクセ”を失くしたかったから始めました。

例えば、あの人に逢ったら、また嫌なことを言われるかもしれない。そのとき、どう返そうかといった会話シミュレーションをするクセが、私にはあります。
他にも、過去の嫌な出来事を反すうしては、そのときに味わった不愉快さを蘇らせ、また苦しんでしまう……。心配したところで何にもならない将来の不安を広げてしまうといったクセがあります。

自分自身と脳内で会話するのを「マインド・トーク」と言い、目の前のことを考えずに過去を思い出したり、未来を想像したりして、心がさまようのを「マインド・ワンダリング」と言うそうなので、「マインド・トーク」と「マインド・ワンダリング」を何とかしたかったということになります。

こういったクセがあるお陰で、何かに集中する際の妨げになったり、娯楽に触れても心から楽しめなかったり……。

この考えるクセを治すのに、マインドフルネス瞑想が効果的じゃないかと思ったのは、それが「何も考えないこと」を学ぶものだからです。

黙っていると何かを考えてしまう。それが問題なら、考えないトレーニングをする。
何かを克服したいなら、練習するしかない。もっともな理屈です。

最初は、NHKスペシャルの「キラーストレス」シリーズのサイトにある内容を実践しましたが、どうせなら本格的にやってみようと思い、原点である『マインドフルネスストレス低減法』を買いました。

様々な瞑想方法

本を最初から読んでいくと、「三分間呼吸法」「食べる瞑想」「腹式(横隔膜)呼吸法」「静座瞑想法」「ボディー・スキャン」「ヨガ」「歩行瞑想法」という順で、瞑想法などを学んでいくことになります。

しかし、個人的には最初に179ページから始まる八週間プログラムを確認し、第一週の内容に関連する項目を読んで実践する方がいい気がします。理由は後述。

この八週間プログラムというのは、ストレス・クリニックで行われているものです。
1995年以降、ストレス・クリニックはマサチューセッツ大学のマインドフルネス・センターにあり、医学上の問題を抱える患者が集まってきているようです。そこでの成果は、本書の中で繰り返し語られています。

八週間プログラム

八週間プログラムの内容は次の通り。

八週間プログラム

  1. 第一週&第二週:ボディー・スキャンが中心。毎日45分間のボディー・スキャン、10程度の座って呼吸に集中する時間。
  2. 第三週&第四週:ボディー・スキャンとヨガ瞑想法を一日おきに。ヨガのポーズは160~167ページに載っているもの。
  3. 第五週&第六週:静座瞑想法とヨガ瞑想法を一日おきに。静座瞑想法は45分です。代わりに、ボディー・スキャンは行わなくなりますが、ヨガができない状態の人はボディー・スキャンでもOK。
  4. 第七週:自由な組み合わせで行う総合トレーニング。毎日45分、ボディー・スキャン、ヨガ瞑想法、静座瞑想法を組み合わせて行います。組み合わせは自由。
  5. 第八週:独自のプログラム。自分なりのトレーニングを始める週です。今後の人生における自分流の瞑想プログラムを立てる週になります。

上記以外に、“ふだんの瞑想トレーニング”というメニューも入ります。
ふだんの瞑想では、何気なく行っている動作に集中したり、楽しいことをカレンダーに記録したり、嫌だったことを書いたりします。

いち早くプログラム通りのメニューをこなしたいなら、先に八週間プログラムを知った方がいいと思い、179ページから読むのを勧めました。

瞑想に必要な七つの態度

マインドフルネス瞑想では、「評価しない」「呼吸をコントロールしない」「湧き起こった感情は、確認して手放す」「ありのままを受け入れる」といったことが基本になります。

瞑想すること自体が目的なので、行うことによって“何がどうなった”といった評価はしません。瞑想で意識的に何かを変えようとするのではなく、ありのままの自分の状態を受け入れます。
そして、何も考えない。
もし、何か考えてしまっても、それを否定するのではなく、何を考えたのかを確認して、その考えを水に流すように手放します。

このようなポイントが繰り返し出てきますが、第二章では「瞑想に必要な七つの態度」としてまとめられているので、ここは始める前にチェックしておきたいところ。

ボディー・スキャン

第一週のメニューになっているボディー・スキャンは、仰向けで寝た状態で、目を閉じて行います。

ボディー・スキャン

  1. まずは、左足の先に注意を向け、ゆっくりと足の付け根に移動させていきます。
  2. その注意が骨盤に達したら、右足でも同じことをします。
  3. 足の後は、骨盤から腰、腹部、背中、胸、肩へと注意を移動させます。
  4. 肩まで行ったら、両手の指先に注意を集中し、左右同時に腕から肩へと移動させます。
  5. そのまま、首、喉、顔、後頭部、頭頂部へと移動します。
  6. 頭頂部には穴が開いていて、そこで呼吸しているイメージを持ちます。
  7. 後頭部の穴から空気が入り、足先から出ていく。足先から入って、後頭部から出ていく。そのイメージを繰り返します。
  8. 終えるときは、しばらく静かにじっとした後、意識的に手と足先を動かし、手で顔を左右に揺り動かします。その後、目を開けて通常の活動に戻ります。

もし、強い痛みを感じる箇所があって、集中しづらい場合は、その痛む箇所に注意を向けます。そこから空気が出たり入ったりするのをイメージし、よくないものが吐き出されるのを想像します。
痛い箇所がないのに、いまいち集中できないときは、呼吸に注意を向けます。

正直、ボディー・スキャンをやると寝てしまいます。
眠るくらいだったら目を開けていていいとありますし、しっかり起きていられるタイミング行うようにとあるので、それに従った方がいいかも。

ただ、途中で寝てしまったとしても、心地よい眠りになる気がしています。

座って呼吸に集中する

座ったまま呼吸に集中する方法として、「三分間呼吸法」や「静座瞑想法」が紹介されています。

静座瞑想法の静座が正座でないのは、気持ちを落ち着けて座る静座だからです。正しい姿勢で座る正座ではないということ。
著者は「ビルマ人のあぐら」という座り方をしているそうです。どちらか一方の足のかかとを体につけ、折り曲げたもう一方をその手前に持ってくる座り方になります。
他の座り方も紹介されていますので、自分に合ったのを選ぶとよいと思います。

座っていると体の位置を変えたい衝動に駆られますが、静座瞑想では位置を変えずに、その不快感に注意を向けます。不快に思う“今”という瞬間を観察し、それを排除するのではなく、受け入れることで見方が変化するのだそうです。
何に不快さを感じるのかを知ることが大事といったところでしょうか。
不快さの中でリラックスする術を身に着け、一緒に生きる柔軟性を養うともあります。

でもまぁ、最初に行うなら三分間呼吸法が始めやすいです。
その方法が次の通りシンプルなので。

三分間呼吸法

  1. 座ったまま目を閉じます。
  2. 力を入れずに、背筋を伸ばします。
  3. 呼吸に集中します。
  4. 三分間続けます。

このとき、呼吸のリズムをコントロールしようと思わないことが重要です。
何も考えずに、体内の空気の出入れを観察します。何か考えてしまったら、先に書いた通り、その思いを確認して手放します。

ヨガ

ヨガのポイントは次の通り。

ヨガのポイント

  1. マットを敷いて、仰向けになります。
  2. 呼吸に注意を集中させます。
  3. 体全体が一つで、それを皮膚が包んでいるイメージを持ちます。
  4. “今”という瞬間に集中します。他のものを思い浮かべたら、それが何かを認識して解き放ちます。
  5. 本に載っている様々なポーズをします。
  6. ポーズごとに最も強い感覚が生じた箇所で息を吸うイメージを持ちます。
  7. 具合が悪い箇所があるときは、そこが悪化しそうなポーズは避けてもOK。
  8. 自分の限界を無視せず、無理をしないこと。
  9. ポーズを変えるときは休憩を挟みます。
  10. 息を吐くと体の全面が収縮し、吸うと膨張することを心に留めます。ひとつのポーズをリラックスできる程度に長く保ちます。
  11. 痛みを感じるほど、体を伸ばさないでください。

ヨガの項目で印象に残っているのは、「体を使うことで、体をいたわる」というもの。
長期の入院などで安静状態が続くと、体の機能が低下してしまいます。これを廃用萎縮と言うそうです。廃用萎縮を防止するために、適度に体を動かすことで、体をいたわるという考え方が書かれていました。

効果を考える前に

だいぶ端折っていますが、実践方法だけ書くと上記のような感じです。
本の前半が瞑想に関する実践的内容で、後半はストレス・クリニックの患者の体験談、ストレスに関連する研究結果、ストレス対処法などが載っています。

精神神経免疫学、リラクセーション反応、社会的結びつきと健康など、なかなか興味深い研究結果もありますが、「瞑想で、あれもこれも改善された」という話を続けて読むと、信じれば救われるような宗教っぽさを感じてしまいます。
でもまぁ、実際のところ疑いを捨てて取り組んだ方が、良い方向に進むのかもしれません。

本書では、ネズミを使った免疫抑制剤の実験について書かれています。その内容は次の通り。
・ネズミにサッカリンと免疫抑制剤を混ぜた水を飲ませます。免疫抑制剤によって、免疫機能が抑制されます。
・次に、サッカリンだけを混ぜた水を飲ませます。免疫抑制剤は入っていないのに、免疫抑制状態になりました。

これはサッカリンの味と、免疫が抑制された経験が結びついたからでしょう。
「パブロフの犬」の古典的条件付け同様、サッカリンが免疫抑制の条件となり、心理的な学習の影響を受けたと言えます。

この結果だけで、心が免疫システムに影響を与えていると結論付けるのは早急とし、別の実験もしていると書かれていました。
とはいえ、過去の経験から「ダメだ」と思っているものを取り入れると、よくない状況に陥るのは感覚的には理解できます。

マインドフルネス瞑想は、瞑想すること自体が目的であって、そこに何かの効果を期待したり、目標を設定するものではないとあります。
それを「効果がないとき用の逃げ口上」と感じる人もいるでしょう。でも、やった上であれこれ言いたいなら、書かれていることを実践するしかありません。
「ダメだ」と思う気持ちが与える影響は少なくないようなので。

実践してみて

初めて二週間くらい経った時点での感想ですが、やはりボディー・スキャンでは寝てしまいますし、瞑想をしても何かを考えてしまいます。

それでも、以前より集中力が持続するようになった気がします。
生活に瞑想を取り入れたのと同時期に、飲んでいる薬を変えているので、そっちの影響という可能性も否定できませんが……。

実践してみて改めて感じたのは、過去に思いを馳せようと、未来を案じようと、自分に変えられるのは“今”という瞬間しかないということ。
結局のところ、“今、できること”を積み重ねていくしかないのだと、考えるようになりました。

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